手続きに分類される8項目を、費用の目安で横並びに比較できるようまとめました。
手続きの一覧
| 項目 | 費用の目安 | 時期 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 死亡届の提出 | 費用の発生しない項目 | 逝去から7日以内 | 市区町村役場へ死亡届と死亡診断書を提出します。これにより火葬許可証が交付されます。 |
| 年金受給停止 | 費用の発生しない項目 | 厚生年金10日以内・国民年金14日以内 | 年金事務所へ受給権者死亡届を提出します。手続きが遅れると過払い分の返還が必要になります。 |
| 健康保険資格喪失 | 費用の発生しない項目 | 14日以内 | 健康保険証の返却と資格喪失の届出を行います。国民健康保険は市区町村、健康保険は勤務先経由 |
| 世帯主変更届 | 費用の発生しない項目 | 14日以内 | 故人が世帯主だった場合、新しい世帯主を届け出ます。 |
| 準確定申告 | ¥0 〜 ¥100,000 | 相続開始を知ってから4ヶ月以内 | 故人のその年の所得について、相続人が代わって確定申告を行います。 |
| 相続放棄 | ¥30,000 〜 ¥100,000 | 相続開始を知ってから3ヶ月以内 | 家庭裁判所へ申述し、相続権を放棄します。負債が資産を上回る場合に選択されます。 |
| 名義変更(不動産) | ¥50,000 〜 ¥200,000 | 取得を知ってから3年以内 | 相続した不動産の所有権移転登記を行います。2024年4月から相続登記が義務化されました。 |
| 相続税の申告 | ¥0 〜 ¥1,000,000 | 相続開始を知ってから10ヶ月以内 | 基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告が必要です。 |
選び方の考え方
手続きでは、費用の幅が項目によって大きく異なります。まず予算の上限を決め、そのうえで内容を比較するほうが判断しやすくなります。
見積書を受け取ったら、含まれている項目と含まれていない項目を必ず分けて確認してください。「一式」と書かれた見積もりは、後から追加費用が発生しやすい形です。
手続きの費用はどう分布しているか
手続きに含まれる4項目を費用で並べると、下は50,000、上は500,000、中央は125,000です。上下で10倍以上の開きがあり、どの層を選ぶかで負担が大きく変わります。
まず自分がどの層で考えるのかを決めてから、その層のなかで中身を比べると絞り込みやすくなります。層をまたいで迷い続けると、判断に時間がかかります。
手続きの8項目をひとつずつ
死亡届の提出
費用の発生しない項目。市区町村役場へ死亡届と死亡診断書を提出します。これにより火葬許可証が交付されます。
注意点:火葬許可証がないと火葬できません。葬儀社が代行してくれる場合がほとんどです。
年金受給停止
費用の発生しない項目。年金事務所へ受給権者死亡届を提出します。手続きが遅れると過払い分の返還が必要になります。
注意点:未支給年金がある場合は、生計を同じくしていた遺族が請求できます。
健康保険資格喪失
費用の発生しない項目。健康保険証の返却と資格喪失の届出を行います。国民健康保険は市区町村、健康保険は勤務先経由です。
注意点:国民健康保険からは葬祭費(3〜7万円程度)が支給されます。申請しないと受け取れません。
世帯主変更届
費用の発生しない項目。故人が世帯主だった場合、新しい世帯主を届け出ます。
注意点:残された世帯員が1人だけの場合や、15歳未満の子と親だけの場合は届出不要です。
準確定申告
¥0 〜 ¥100,000。故人のその年の所得について、相続人が代わって確定申告を行います。
注意点:故人に事業所得や不動産所得があった場合は原則必要です。還付を受けられることもあります。
相続放棄
¥30,000 〜 ¥100,000。家庭裁判所へ申述し、相続権を放棄します。負債が資産を上回る場合に選択されます。
注意点:期限を過ぎると原則として放棄できません。財産の調査に時間がかかる場合は期間伸長の申立てができます。
名義変更(不動産)
¥50,000 〜 ¥200,000。相続した不動産の所有権移転登記を行います。2024年4月から相続登記が義務化されました。
注意点:正当な理由なく期限内に登記しないと、10万円以下の過料の対象になります。
相続税の申告
¥0 〜 ¥1,000,000。基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告が必要です。
注意点:配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は、申告することで初めて適用されます。
手続きでよくある誤解
「役所に死亡届を出せば全部連動する」ではない
死亡届を出しても、年金・健康保険・銀行・保険・公共料金はそれぞれ個別の手続きが必要です。自動的には止まりません。
「口座は死亡と同時に凍結される」ではない
金融機関が死亡の事実を知った時点で凍結されます。ただし葬儀費用については、相続人が単独で一定額まで払い戻せる制度(預貯金の払戻し制度)があります。
「相続放棄はいつでもできる」ではない
相続の開始を知ってから3か月以内です。この期間に財産を処分すると、放棄できなくなる場合があります。
手続きで負担を抑える方法
必要書類をまとめて取得する
戸籍謄本や住民票の除票は複数の窓口で求められます。必要枚数を見込んで一度に取ると、交通費と時間を節約できます。
おくやみ窓口を使う
複数の手続きを一か所で受け付ける窓口を設けている自治体があります。事前予約が必要な場合があります。
専門家に頼む範囲を絞る
すべてを依頼せず、自分でできる部分を切り分けると報酬を抑えられます。相談だけの利用も可能です。
無料相談を先に使う
法テラス、自治体の無料法律相談、税務署の相談窓口で、方針を決めてから依頼すると無駄が減ります。
地域や条件で変わるところ
手続きの窓口と必要書類は自治体によって細部が異なります。同じ書類を複数の窓口で求められることが多いため、戸籍謄本や住民票の除票は多めに取得しておくと足を運ぶ回数が減ります。まとめて手続きできる「おくやみ窓口」を設けている自治体も増えています。
相談できる窓口
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 市区町村の窓口 | 死亡届、葬祭費、住民票と戸籍の手続き |
| 年金事務所 | 受給停止、未支給年金、遺族年金の請求 |
| 法テラス | 相続に関する法律相談。条件により無料 |
| 税務署 | 準確定申告、相続税の申告について |
※ 掲載している費用は一般的な目安であり、地域・宗派・依頼先・時期によって大きく変動します。実際の金額は必ず複数の事業者から見積もりを取得してご確認ください。制度・手続きの要件は改正されることがあるため、最新の情報は自治体および所管の公的機関の公表内容をご確認ください。